ミステリーとか警察ものとか…読んだら書評書いてます

ミステリー、警察もの、組織もの、たまに他の本も、実際に読んでから書評を書いています。川崎市在住 連絡先 oyamaiitenki@gmail.com

2017-01-01から1年間の記事一覧

2017年下期 このミステリーがオススメ! ハードボイルドな4冊

ハードボイルドはミステリーなのか?という根源的な疑問をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、出版社、書店ともに「ミステリー」とするほうが売れるので、なんでも「ミステリー」と書いてしまう傾向がありませんか? プ~トロは、ミステリーもハードボイ…

ジェーン・ドゥ 身元不明 特殊殺人対策官 箱崎ひかり 古野まほろ 講談社文庫

「綾辻行人氏・有栖川有栖氏、絶賛‼ 元警察官僚が手がけたリアルすぎる警察小説」という帯の文句に騙されて読みました。 捜査本部にゴシック&ロリータファッションで登場する25歳の女性キャリア管理官なんて絶対にいない!(・・と思います。) 登場人物の…

悲嘆の門 下巻 宮部みゆき (完読しました。絶対おススメです)

完読しました。いや~面白い!ミステリーとしても、SFファンタジックものとしても、面白い!この作品でしか出会えない特別な世界を堪能させていただきました。かたや不倫三角関係というドロドロの事件を扱いながら、かたや真菜ちゃんんストーリーで読者を幸…

Number 942 いままでのわたし、これからのわたし。浅田真央 文藝春秋

Number MVP特別賞受賞おめでとうございます。 2017年Number MVP特別賞受賞のインタビューが掲載されています。 この号はフィギュア特集ではありませんが、Numberでフィギュアの選手が3度も表紙を飾るなんて珍しいですね。 さて、内容ですが、冒頭のインタビ…

悲嘆の門 上・中巻 宮部みゆき (超おススメです)

久しぶりに宮部さんの本を読みました。まだ上巻と中巻ですが、面白い!上巻の最後のシーンの終わり方はえーつ!そこで終わるのズルい~!って叫びたくなりました。そして中巻では、あっと驚くファンタジックワールドが展開します。今は中巻を読み終わったば…

2017年下期 このミステリーがオススメ! 独特の世界観が楽しめる超おススメ!5冊

8月から50冊近くのミステリーっぽい文庫本を読んできました。当たりもハズレもありました。しかしここで紹介する5冊は、この半年の大当たり!です。どの作品もオリジナリティたっぷりで、この作品でしか味わえない独特の世界を持っています。 www.putorobook…

警視庁公安部・青山望 一網打尽 濱嘉之 文春文庫

この記事を書くために初めて著者紹介を読みました。なるほど、濱さんは警視庁の警備畑にいらっしゃって、50歳前に警視で退官されているんですね。その後、議員秘書を経て作家へ。主人公の青山望と経歴が重なっているところが多い。だから詳しいところは驚く…

ハーメルンの誘拐魔 刑事犬養隼人 中山七里 角川文庫

このミステリーの設定は現実なのです。 子宮頸がんワクチンの副作用が作品のテーマになっています。恥ずかしいのですが、子宮頸がんワクチンの副作用が現実の日本でも大きな問題になっていることを知りませんでした。このストーリーは現実に起きても不思議で…

Number 941 銀盤の決闘。 男子フィギュア平昌へのカウントダウン 文藝春秋

出ましたね~!「Number 938 ミラクルガールズ 女子フィギュア平昌への聖戦」に続いて男子フィギュア特集です。 www.putorobook.com グランプリファイナルが名古屋で始まった日に書店で見つけました。 Numberの金メダル候補はこの5人 「Number 」編集部は、…

雪炎 馳星周 集英社文庫

久しぶりの馳星周さんです。デビュー作の「夜光虫」は衝撃的でした。文体からは堂場瞬一さんと同じ印象を受けました。主人公目線でストーリーが展開していき、主人公の気持ちが抑え気味ってところが、プ~タロには読みやすいんでしょうね。 主人公は元公安の…

2017年下期 このミステリーがオススメ! 女刑事が活躍する4作品

ミステリーを中心に8月から12月の5か月間に読んだ40冊の文庫本をこのブログで紹介しました。(1冊だけ文庫じゃないNUMBERが入っておりますが…) この中から 売れ行きはともかく、プ~トロが読んで面白かった!と自信を持っておススメできる10冊+ちょっ…

誤断 堂場瞬一 中公文庫

プ~トロは堂場瞬一ファンです。数々の警察ものシリーズは(多分)全作読んでいます。この作品も「新しい警察ものシリーズかな?」くらいの気持ちで手に取ったのですが、ちょっと違いました。若いサラリーマンが主人公で、彼が社命と人間としての正義との間…

冥の水底(上)(下) 朱川湊人 講談社文庫(おススメです)

面白かったな~。長編ですが、長いと感じません。一気に読んでしまいました。 30年前からのシズクの日記と現在進行形のフリーライターの失踪事件がカットバックしてすすむこの作品はSFミステリーとも言うべきジャンルでしょうか?しかし見方を変えると一人の…

クズリ ある殺し屋の伝説 柴田哲孝 講談社文庫(おススメです)

面白~い!おススメで~す! 正統派なミステリーというより、しっぶ~いハードボイルドですけど、本の帯に「大藪春彦賞作家の最高傑作ミステリ!」とあるので、カテゴリーはミステリーにしておきます。ハロウィンで賑わう六本木で外国人が射殺された。使用さ…

ハケタカ2.5 ハーディ(上)(下)  真山仁 講談社文庫

ハゲタカシリーズはスパイアクション小説だったのか? ハゲタカシリーズが007になっちゃいました。緊迫感ある買収をめぐる駆け引き、裏で暗躍する敵、突然現れる救世主、タフなネゴシエーションの連続、これが「ハゲタカ」シリーズの魅力だと思っていたです…

辞令 高杉良 文春文庫

古くから企業ものを書いていらっしゃる高杉良さんの1988年の作品です。「高杉良の作品の魅力はよく練られた会話劇の妙にある。」と後解説にありました。確かに、30年前の日本の会社の中で交わされた会話だと思って読めば斬新でリアリティがあったのでしょう…

沈黙する女たち 麻見和史 幻冬舎文庫

またまた猟奇的犯罪が・・! 重犯罪取材班 早乙女綾香シリーズ2作目です。麻見先生の作品は、猟奇的な事件ものって印象があります。プ~トロが「警視庁捜査一課十一係シリーズ」の「石の繭」から読み始めたからでしょうか? 読む作品に必ず猟奇的が事件が登…

鍵の掛かった男 有栖川有栖 幻冬舎文庫

大長編です!715ページです! 715ページ!1冊の本としては超厚い!大長編です。715ページです。ゆうに普通の文庫本二冊分です。読み応えがありました。これまで有栖川有栖というお名前でライトな内容なのかなと思い、読んでいませんでしたが、とんでもない…

甦る殺人者 天久鷹央の事件カルテ 知念実希人 新潮文庫

この作品を読み始めて、最初に興味をひかれたのはキャラ設定です。小鳥遊優(たかなしゆう)主人公天久鷹央の部下?アシスタント?としての位置づけですが、「小鳥遊」と言えば、あの有名なシリーズにも登場してきますよね。 森博嗣さんのVシリーズ、瀬在丸…

鬼はもとより 青山文平 徳間文庫

カバーのビジュアルが気になって買ってしまいました。タイトルから推測して剣豪が鬼神になって活躍するような時代小説を想像したのですが、全然違いました。話はもちろん江戸時代、貧困にあえぐ東北の弱小藩が、一人の「鬼」によって立て直されるという話で…

さよなら妖精 米澤穂信 創元推理文庫

最初はミステリーとは思わなかった 帯に「史上初!ミステリベストランキング 3年連続第1位」「全てが代表作」とあったので読んでみました。謎だらけの殺人事件が起きて、名探偵が推理し解決するという流れを期待しながら読んでいるうちに、自分が誤解してい…

雨に泣いてる  真山仁  幻冬舎文庫

リアリティがあってとても面白い作品です。 いや~面白い作品でした。ストーリーが小気味よく展開し、先を予測させてくれません。主人公に次々にふりかかる難題。上の顔色ばかり気にする上司、自分のポイントを稼ぐことしか考えていない先輩、そして最大の難…

Number 938 ミラクルガールズ 女子フィギュア平昌への聖戦 文藝春秋

ミステリーではありません。アートものでもありません。定期刊行物です。スポーツ好きですが、Numberを定期購読しているわけではありません。2年に1回くらいのフィギュアスケートを特集しているときだけ買っています。今月はひさしぶりにフィギュア特集号…

風のマジム 原田マハ 講談社文庫

「原田マハ」という文字を見ると手が伸びてしまいます。「本日は、お日柄もよく」「総理の夫」「太陽の棘」「あなたは、誰かの大切な人」「まぐだら屋のマリア」「楽園のカンヴァス」「ジヴェルニーの食卓」この2~3年で目についた文庫本は必ず買っていま…

不愉快犯 木内一裕 講談社文庫

マンガ「ビーバップハイスクール」のきうちかずひろ先生が小説を書いているとは知りませんでした。読み終わった今も、いまだにあのマンガとこの「不愉快犯」が結びつきません。 完全犯罪です。完全犯罪を企てた男の物語です。よくある完全犯罪モノは、アリバ…

アンフェアな国 刑事雪平夏見 秦建日子 河出文庫

か~~!気になって眠れそうもない~~~!笑 たった今読み終わったばかりです。ラスト15ページなので、メシ前に読んじゃえと思って行っちゃいました。その結果が、「か~~!気になって眠れそうもない~~~!」です。ミステリーとしての謎解きも面白いし、雪…

ゴールデン・ブラッド 内藤了 幻冬舎文庫

藤堂比奈子シリーズの内藤了先生です。 猟奇犯罪捜査班とはまた一味違ったミステリーで楽しまめました。主人公は下町風商店街に住む若い消防士の向井圭吾。余談ですが、下町風の人情溢れる近所の人たちはいいですね~。昔住んでいた高円寺商店街を思い出しま…

銀翼のイカロス 池井戸潤 文春文庫

半沢直樹の「倍返し」炸裂! いや~「半沢直樹」ですね。堺雅人さんとなぜか菅野美穂さんの顔がちょろちょろ出てきて困りました。良くも悪くも結末だけはわかきっていながら、途中の逆転・逆転・倍返しを楽しんでしまいます。現代版の水戸黄門なんですね。 …

七四 神家正成 宝島社文庫

宮部みゆきさんが「現代社会の罪と罰をがっつり描けるミステリーは警察小説だけじゃない。そう高らかに宣言する新鮮な快作だ。」と宣言する帯のコメントで買ってみました。 自衛隊を舞台にした新しいミステリー なるほど著者 神家さんは元自衛隊勤務というだ…

インデックス 誉田哲也 光文社文庫

姫川玲子に負けました 1か月以上前から書店の棚にあるのを見て気になってしようがなかったんですが、短編集だったので、読もうかと手に取っては置いて、手にとっては置いてを何回か繰り返した末に、とうとう姫川玲子の魅力に負けて買ってしまいました。 読…