ミステリーとか警察ものとか…読んだら書評書いてます

ミステリー、警察もの、組織もの、たまに他の本も、実際に読んでから書評を書いています。川崎市在住 連絡先 oyamaiitenki@gmail.com

沈黙する女たち 麻見和史 幻冬舎文庫

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またまた猟奇的犯罪が・・!

重犯罪取材班 早乙女綾香シリーズ2作目です。麻見先生の作品は、猟奇的な事件ものって印象があります。プ~トロが「警視庁捜査一課十一係シリーズ」の「石の繭」から読み始めたからでしょうか? 読む作品に必ず猟奇的が事件が登場します。そのジャンル狙い?その割にはちゃんとした推理で犯人を導きます。早乙女綾香シリーズは2作目ですが、主人公が真面目すぎないですか?CS放送のオリジナルニュースチャンネルというなんでも有りな設定なんですから、もっと早乙女さんを窮地に追い込んでください。さらに、せっかく大新聞社を辞めてきたんだから、大新聞社やテレビのキー局をギャフンと言わせてスカッとしたいな~と思うのはプ~トロだけでしょうか? 

なんとなく、既存マスコミへの批判精神を感じます。

この作品全体を通じて、既存のマスコミへの批判精神が流れていると感じます。大新聞らしい東陽新聞の梶浦記者や佐竹部長を少しずるそうなキャラで描いたり、作品の最後で、ドキュメンタリー番組の本質に対する疑問を投げかけたり、最後に登場した保志社長に「ただ、作り手は常に誠実でなくてはならない。」と言わせてみたり・・ひょっとしたら、麻見先生は、前職が報道関係?ドキュメンタリー関係?じゃないかと察します。記事に関して?番組に関して?組織と意見が合わず飛び出して作家の道にお入りになったんでしょうか?もしくは、そういう経歴の人にじっくり取材してこのシリーズを書き始めたか¨・・。

もっと肩の力を抜いて欲しい!早乙女キャップ!

早乙女綾香に肩の力を抜かせて彼女を縛っている枷をはずしてやってください。そして久我さんは、十分アウトロー的な渋くていいキャラになっているので、時には大喧嘩させながらいいコンビで活躍させてください。猟奇的、怪奇的なテーマは嫌いじゃないので、これからも面白い作品を出し続けてください。