ミステリーとか警察ものとか…読んだら書評書いてます

ミステリー、警察もの、組織もの、たまに他の本も、実際に読んでから書評を書いています。川崎市在住 連絡先 oyamaiitenki@gmail.com

甦る殺人者 天久鷹央の事件カルテ 知念実希人 新潮文庫

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この作品を読み始めて、最初に興味をひかれたのはキャラ設定です。小鳥遊優(たかなしゆう)主人公天久鷹央の部下?アシスタント?としての位置づけですが、「小鳥遊」と言えば、あの有名なシリーズにも登場してきますよね。 森博嗣さんのVシリーズ、瀬在丸紅子さんと保呂草潤平さんが活躍するミステリーものです。Vシリーズの「小鳥遊練無」くんは、美形で女装の似合う少林寺拳法の実力者で香具山紫子さんと愛すべき凸凹コンビとして描かれてます。「小鳥遊」って珍しい苗字だから知念先生と森先生て何か関係があるのかな?と調べてみたのですが無さそう。でついでに調べてみたら「小鳥遊」姓の登場人物はゲームとかフィクションで美少女系の名前に頻繁に使われていて、実在する「小鳥遊」さんよりフィクションの中の「小鳥遊」さんのほうが多いともいわれている苗字のようです。「小鳥遊」でなぜ「たかなし」と読むのか?・・ 小鳥が遊ぶほど平和だから鷹はいない、というなぞなぞのような理屈ですが、この作品には、小鳥遊さんにとっては平和ではないようです。

「小鳥遊」のそばに「鷹」はいた!

小鳥遊優の天敵、絶対的な上司、探偵役が天久央。小鳥遊が男性で、鷹央が女性って設定もひねってあるのですが、性格も言葉遣いも男女の特徴を逆転させてあるようです。 小鳥遊で性格の大人しい男性ってめずらしい設定のようにも思えますが、上記のVシリーズの小鳥遊練無くんも男性で、こちらは女の子に間違われるくらいの美形です。

さて事件は、シリアルキラーが連続女性殺人を犯していく。現場に残されたDNAは既に死んでいるはずの人間のもの・・という科学的な謎を天才・天久鷹央が推理していきます。この天久さんのキャラ設定も面白く、上記カバーのイラストがイメージ通りならば、見た目はスリムな美人、口は悪い、しかも自分が一番優秀で周囲をこき使うという、実際にいたら救いようがないイヤな奴ですが、なぜか 気に入ってしましました。アイスクリームやパフェなど甘いものに目が無い・・だから「天久」さんなんでしょうか? 

シリーズ8作目とは露知らず

この「甦る殺人者」で「天久鷹央の事件カルテ」シリーズは8作目。どうしてこれまで一冊も読んでないのかな~? 

シリーズ初期の作品も読んでみたくなりました