ミステリーとか警察ものとか…読んだら書評書いてます

ミステリー、警察もの、組織もの、たまに他の本も、実際に読んでから書評を書いています。川崎市在住 連絡先 oyamaiitenki@gmail.com

風のマジム 原田マハ 講談社文庫

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「原田マハ」という文字を見ると手が伸びてしまいます。「本日は、お日柄もよく」「総理の夫」「太陽の棘」「あなたは、誰かの大切な人」「まぐだら屋のマリア」「楽園のカンヴァス」「ジヴェルニーの食卓」この2~3年で目についた文庫本は必ず買っています。パブロフの犬のように、原田さんの本を読んで、あの幸せな気分にひたりたいと思ってしまうようです。

原田マハさんの本を読んでイヤなのは、人前で読みづらいんですね~。電車の中でいい年こいたオッサンが涙を流しながら本を読んでいる姿は見られたもんじゃありませんよね。今回も4~5回、電車の中で、周囲に気づかれないように指で目頭をふきました。(周囲の人は気が付いているけど、見て見ぬふりをしてくれているだけのようです。笑)

mysterybook.hatenablog.jp

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夢に向かってまっすぐに進む主人公の姿に、どうしてこんなに感動してしまうんでしょう。池井戸さんの話ほど強敵は出てこないのに、どちらかというと応援してくれる人ばかりなのに、まじむが一歩ずつ前進するたびに応援する気持ちも強くなり、おばあと一緒にまじむを応援している自分がいます。これっぽっちも打算はなく、純粋な気持ちが伝わってくるから?理由はとにかく、主人公の姿に感動してしまいます。

もう一つ、原田さんの作品の多くで、現地でしか感じられない自然、空気、日差し、が登場人物のモチベーションの一つになっているのが、とてもうらやましいんだろうな~とおもいます。今回は風です。南大東島に行かないとこの作品を暖かく包んでいる風は感じられないのに、読んでいるうちに自分も暖かい風の中にいるような気がしてくる。まじむと一緒に南大東島の風の中を歩いている気にさせてくれるのが気持ちいいんだろうな~と思います。(本当は、暖かい風なんて優しいもんではなく、毎日台風の中にいるような熱風なのかもしれません)

読み終わって驚いたのは、実際に沖縄産アグリコール・ラム酒を造ってしまった女性が実在していること。話の細部は原田さんの脚色があるんでしょうが、この話の大筋は実話らしのです。これまでラム酒を飲む機会はあまりありませんでしたが、これからはモヒートを飲みます。そして、沖縄産のアグリコール・ラム酒「コルコル」を飲める店を探してみます。そして、「大東そば」を探しに南大東島に行きたくなりました。

南大東島で、「風のマジム」で作った沖縄モヒートを飲む!人生の楽しみが一つ増えました。