ミステリーとか警察ものとか…読んだら書評書いてます

ミステリー、警察もの、組織もの、たまに他の本も、実際に読んでから書評を書いています。川崎市在住 連絡先 oyamaiitenki@gmail.com

ジェーン・ドゥ 身元不明 特殊殺人対策官 箱崎ひかり 古野まほろ 講談社文庫

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「綾辻行人氏・有栖川有栖氏、絶賛‼ 元警察官僚が手がけたリアルすぎる警察小説」という帯の文句に騙されて読みました。

捜査本部にゴシック&ロリータファッションで登場する25歳の女性キャリア管理官なんて絶対にいない!(・・と思います。)

登場人物の会話が符牒だらけなので、理解できない!

国立国会図書館の中に秘密の警察組織なんてあるわけな~い!

と文句を垂れましたが、そこを除けば、起きた事件はとんでもなく猟奇的で、陰陽道にまつわる謎があり、戦後の占領時代からひきずっているあり得ない核爆弾をめぐる話で、それなりに楽しんで読めました。とても「リアル」とは思えない設定ですが、主人公「箱崎ひかり」管理官の事件の謎解きは極めて論理的で本格的ミステリーファンもきっと満足するでしょう。

作者の古野さんは、東大法卒の警察官僚だったそうで、相当クレバーな方と思われます。このはちゃめちゃな殺人事件を解くヒントをちゃんとストーリーの中にちりばめています。作品の印象はともかく、論理的に事件が解決できるという本格ミステリーファンを満足させてくれる条件を十分みたす作品ですね。

ゴスロリの美人キャリアに期待します。謎解きはミステリーファンを満足させてくれる本格派。

そして最後に登場する犯人2人、この2人の意外さにぶっ飛びました。

箱崎ひかりさんのキャラクターは突出して面白いので、もう少し読みやすくしていただけるとファンになってしまうのですが・・いかがでしょう?