ミステリーとか警察ものとか…読んだら書評書いてます

ミステリー、警察もの、組織もの、たまに他の本も、実際に読んでから書評を書いています。川崎市在住 連絡先 oyamaiitenki@gmail.com

影の守護神 警視庁犯罪被害者支援課5 堂場瞬一

ガチガチの堂場ファンです。刑事鳴沢了シリーズから読み始め、堂場作品の警察ものシリーズはほぼ読破しています。しかし、この「影の守護神」はいつものダイナミックな展開はどこかへ行ってしまったようでした。展開が予想の範囲から飛び出してくれないのです。交番の警察官を撃った銃が、5年前の交番襲撃事件で奪われたものだった…という導入はよかったのですが、殺された警察官の息子の暴走、妻の落ち着いた態度、もっと裏に何かが隠れていて後半にどっか~んと展開すると期待していたのに、しなかったのです。いや、息子の暴走を操っていたのは意外な人物でした。妻も最初は証言しなかった亡夫の秘密を抱えていました。でも、どうも物足りないのです。

とは言え、連続したシリーズもので1冊読まないと続くシリーズが理解しづらくなる。いや、他のシリーズのストーリーにも影響してくるので、どうしても読まなくてはいけません。読んでみればそれなりに面白い、だから堂場ファンはやめられないのです。

根拠のない憶測ですが、失踪課シリーズ、追跡捜査係シリーズ、アナザーフェイス、一之瀬拓真シリーズ、それぞれが終了に向かって進んでいるように感じています。もしかしたら各シリーズの主人公たちが、捜査一課のナンタラ係に集結して巨悪に立ち向かうシリーズ合同完結編みたいな作品が登場するのも遠くないかもしれません。ひそかに期待しています。