ミステリーとか警察ものとか…読んだら書評書いてます

ミステリー、警察もの、組織もの、たまに他の本も、実際に読んでから書評を書いています。川崎市在住 連絡先 oyamaiitenki@gmail.com

山彦 ヤマダマコト kindle

目の病気で視力が落ちたためkindle愛用者になって1か月がたちました。

文字の大きさがコントロールできるで助かっています。

最初は縦長画面で5行表示でしか読めなかったのが、少し回復して8行表示まで読めるようになりました。これでも、随分大きい字です。逆に不便なことは、書店でカバーや中身を眺めてから買えないところ。私の好みのジャンルはだいたい決まっているのですが、まだうまく検索できません。しかし、これまでは購入した文庫本は溜まると売却していたのですが、kindleは全部保存しておけそうなので、これまでたまにやらかした、「同じ本を2冊買ってしまう」ミスが減りそうです。まだまだ、kindleになるのが遅い本とか、kindle化されない作家さんもいるみたいで(出版社による?)、視力が回復してもkindleを使い続けるかどうか、迷いそうです。

ところで、「山彦」ヤマダマコト です。

日本を舞台にした伝奇ファンタジーをあまり目にしたことがなかったので、面白く読めました。舞台も自分の故郷に近い日本海側、しかも最近ちょっとハマっている山歩きの雰囲気が充満していて、世界観は親しみやすいものでした。自分の故郷の山にも、(まさかフライングマンはいないにしても)サンカがいてもおかしくありません。なんとなく彼らの生活に憧れている自分に気が付きました。

ストーリーは11年前の事件と現在が平行して書かれているのですが、最初はそのことに気が付かず、両方とも現在進行形と思って読んで、???でした。 途中からなるほど、11年前の若い市議会議員の娘がこの子で、市議会議員に近づいた若いイケメンサンカが彼で、と納得できそこからはより面白く読めた気がします。

主主人公「フミ」が魅力的ですね。素朴で、純粋で、理解を超える力を持っていて、一度でもお知り合いになりたい序女性です。最終盤でフミが須見が顔を近づけると、キス?と早合点して照れるシーンはいいですね。

11年前の出来事のすべてが、現在進行形の事件の伏線になっているのは、少しできすぎ?と思ってしまうのは、欲張りでしょうか? 須見の父の死因まで、きれいに解き明かされてしまうt、ちょっと満腹感が出てしまいました。

他の作品も読んでみたくなる作家に出会えたと思っています。