ミステリーとか警察ものとか…読んだら書評書いてます

ミステリー、警察もの、組織もの、たまに他の本も、実際に読んでから書評を書いています。川崎市在住 連絡先 oyamaiitenki@gmail.com

水葬の迷宮 警視庁特捜7 麻見和史 新潮文庫

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「石の繭」の麻見和史さん

麻見さんに最初に出会ったのは「石の繭」でした。猟奇もの、でも犯人に迫る過程がとてもスリリングで一気読みしたことを覚えています。「石の繭」は「警視庁殺人分析班」シリーズなんだということをこの「水葬の迷宮」の後書きで認識しました。

本作「水葬の迷宮」は「警視庁殺人分析班」シリーズ以上の期待をして読み始めましたが、その期待には少し届かなかったかなというのが個人的な感想です。

新しいシリーズということで、新米女性刑事の里中さんに特異なキャラ付けをしようとしているのは感じるのですが、いま一つインパクトに欠けるなあ~と思ってしまいました。(麻見先生とファンの皆様 ごめんなさい)

女性刑事ものの中では…

キャラが立った女性刑事というと、内藤了さんの『猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』シリーズ、堂場俊一さんの「アナザーフェイス」で大友鉄さんの同僚、大酒飲みの高畑敦美、誉田哲也さん「ストロベリーナイト」の姫川玲子、秦建日子さんの傑作「警視庁検挙率No.1 ,バツイチ子持ちの美人刑事」雪平夏見、同じ麻見さんの手による「警視庁殺人分析班」の如月塔子、このブログでも紹介した富樫倫太郎さんの「SRO」シリーズ

mysterybook.hatenablog.jp

の芝原麗子、とか魅力的なキャラの持ち主が続々と出てきます。このお歴々と比べるとまだ大人しいかな、というのが印象です。

最後の死体の隠し場所にはやられましたが、ミステリーとしての謎解きにも少し強引さを感じました。

まだまだ、これからの里中刑事の活躍に期待です!ドラえもんのポケットにも期待します!

でも、里中弘美さんの今後の活躍を、彼女の私生活で笑わわせてくれることを、何より、彼女のポケットからドラえもんのポケット以上に、とんでもないものが出てくることを期待しています。次作も既に発行されているようなので、早く文庫本にしてくださ~い。